京都観光あれこれ 《圓光寺》

圓光寺の額縁庭園

圓光寺とは

圓光寺、正式には瑞巌山 圓光寺とし臨済宗 南禅寺派の禅寺です。江戸幕府成立の時期に、この国の教学(きょうがく)を発展させる必要があるとして、徳川家康が1601年に伏見に創建した学問所が圓光寺の始まりです。開山は三要元佶(さんようげんきつ)という、江戸幕府で以心崇伝(金地院崇伝)や天海と並んで「黒衣の宰相」と呼ばれていた人物です。伏見で創建しその2年後に相国寺の寺内に移転するも1620年に火事により全て焼失となり現在の場所のほど近く、一乗寺の地に移転します。そして1667年に現在の寺域を幕府より下賜されて移転し今に至ります。

かなり派手な枯山水

平安時代に起源を持つ寺が多い京都の中では、ここ圓光寺は新しいお寺とも言えます。

圓光寺へ

圓光寺へは、叡山電車の一乗寺駅下車、徒歩15分ほどです。位置的には詩仙堂を目指して来るのもわかりやすいです。圓光寺参拝プランとしては、その詩仙堂とこちらも近所の金福寺を組み合わせての参拝がおすすめです。

寺の近所の古い木屏にかかる古い住所板

この辺りまで来ると、洛中とは違って碁盤の目の整然とした町割りにはなっておらず、どこの町にもあるようなごく一般的な地方の佇まいです。車がやっと通れるくらいの細い道が住宅地に沿ってクネクネとしており、決して行きやすい道程では無いです。ただ、曲がり角の要所要所にはお寺への案内板が設置されており、大方の方角だけ押さえておけば辿り着けます。

寺のアプローチ。前面道路は車一台がやっと通れる幅しかない

お寺の前面道路もかなり狭い道に面しています。庭園風のアプローチと瓦塀がここにお寺があることを教えてくれています。用水路に渡された石の小橋を渡り比較的小ぶりな山門をくぐると、右手に拝観受付があり、拝観料500円を支払ってお寺に入ります。御朱印もこちらでお願いしておきます。

三門には南禅寺派の禅の道場であるとの額が。
三門を抜けてもかなり野趣溢れた参道が続く

圓光寺の境内

山門を入った後の参道も両側には松などの樹木が茂っており、程よく自然を活かした、あまりキッチリとした整然さを出していない佇まいです。更に洛中の寺院と異なり周りにビルなどが見えず、比叡山へと連なる東山を借景に創建の時代と変わらぬ景色を感じさせてくれます。

まっすぐなだけではなく、二回ほど曲がって登る階段がひねりが効いていていい。

参道の先はクランク状に曲がった石段になっており、この先に現れる驚きの枯山水をもったいぶって隠しているかのようです。

奔龍庭はかなりな派手さを持つ枯山水庭園となる。

奔龍庭

参道の石段を登り切ると現れる平成の作となる枯山水の「奔龍庭」(ほんりゅうてい)は、雲海に見立てた渦を巻くような白砂と、大胆かつアバンギャルドな石の配置で龍を表しています。この細長くそそり立つ石はかつて、この寺の古い井戸に使われていた物を再利用しています。ものを捨てずに大切にして再利用すると言う事も、禅の精神であると言えます。

とにかくこんな枯山水見たことない。
ここから先は一変して落ち着きの空間が広がる。

十牛之庭

奔龍庭を抜けると白壁の塀と共に中門があり、ここでも区切りを設けて、ここまでの空間とこれからの庭園を区切っています。確かにこの中門をくぐるとまた景色が一変します。山門からの景色の変化が非常に面白く興味が尽きないお寺です。

十牛之庭の石の配置は牛の存在を思わせる。

この庭園は「十牛之庭」(じゅうぎゅうの にわ)と名付けられた池泉回遊式庭園です。牛飼いを題材にした十牛図と言う絵を元に作庭されています。そう言われると庭園の所々に配された石が牛のように見えます。

紅葉も素晴らしい(と思う)が、青もみじの方が綺麗さでは上か。

圓光寺 額縁庭園

圓光寺と言えば、なんと言ってもこの室内からの眺めが、額縁庭園として非常に有名です。赤い毛氈がアクセントとなって和の美として最高の絵柄だと言えます。この庭園に魅せられた富岡鉄斎はこの寺に襖絵を描き寄進しています。この襖絵は本堂に上がる際に拝見出来ます。

この時は青もみじの時期ですが、強い日差しであちこちが反射して、薄暗い室内との明暗さを調整して撮影するのが難しいです。紅葉の時はまた違った素晴らしい景色であろうと想像できます。例年紅葉の時期は完全予約制での拝観となっており、定員が埋まって申し込めずと言うこともありますが、逆に混雑の中での拝観とならず良いシステムだと思います。

室内の佇まいも、ほかの京都の禅寺の例に漏れず質素で均整の取れたしっとりと落ち着いた空間となっており、額縁庭園を眺めながらゆっくりとしていたくなります。

禅の始祖 達磨禅師の絵は禅寺では必須か

圓光寺のそのほかの見どころ

室内から庭園に出るには、上がった場所まで戻ってから出ます。上がる時には目に付かなかったかもしれませんが、入り口アプローチ付近には手水鉢(ちょうずばち)とともに水琴窟(すいきんくつ)があり涼やかな響きがかすかに聞こえます。ちなみにこの水琴窟の音をiPhoneなどの録音機能で録っておくのもおすすめです。あとで家に帰ってゆっくりとこの音を聴くのも悪くないです。

先程まで居た室内を庭から眺めるのも面白いです。この庭は池泉回遊式庭園ということで、池の周りを回遊しながら景色を楽しむことが出来ます。室内から眺めていた時よりもずっと広い庭園で、奥のほうに進んで行くと竹林となります。この竹林に魅せられたのが江戸時代に活躍した画家、円山応挙です。この竹林の屏風絵を描き寺に寄進しています。

圓光寺で、時間が許す限りこの誰にも邪魔されないゆったりとした時間を少しでも長く過ごしていたいと、ここに来るたびに感じます。

コメントを残す