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京都逍遥 高台寺

高台寺とは

鷲峰山 高台寺。京都観光の一番の人気エリアである東山界隈でも、ねねの道に建つという好立地ナンバーワンのお寺です。ここ高台寺は説明の必要がないほどその由緒は有名ですが、秀吉亡き後に正妻北政所(きたのまんどころ)ねね(おねと言う場合もあります)が秀吉の菩提を弔うために1606年に建てたお寺です。創建当初は曹洞宗でしたが途中廃れた時に建仁寺の住持が入り、現在は臨済宗建仁寺派に属しています。ねねは秀吉が死んだあと出家して高台院と言う号を頂いており、ここから高台寺の寺名がきています。かつて秀吉が建てた伏見城から建物の多くを移築して伽藍が築かれていたため、当初は他に類を見ないほど豪華な寺院であったようです。ただ江戸時代に幾度も火災に遭い、現在では創建当初の建物は開山堂、観月台と境内最上部にある二つの茶室のみとなっています。

高台寺へ

京都東山界隈における観光コースとしては阪急の河原町駅もしくは京阪の祇園四条駅を出発点として、四条通を八坂神社方向に歩いてきて、八坂神社、円山公園、ねねの道と言う順序で巡るのが定番かと思いますが、そうやって歩いてくるともう高台寺へはすでに到着しています。そうは言っても高台寺は有名で大きい寺院にもかかわらず、それらしき境内やその山門はこの辺りには見当たりません。それもそのはず、高台寺はねねの道から東山の斜面を上がるように境内地が広がっているのです。

台所坂

ちょうど圓徳院のある辺りの向かいに細い坂道の路地があって、高台寺の台所である庫裡(くり)に至るためこの坂道は台所坂と言うのですが、この坂道を登って行くと境内に辿り着けます。ねねは晩年、この坂を毎日上がって高台寺にお参りに行っていたとのことです。

台所坂を登り切ると台所門が。

高台寺庭園

台所坂を上がりきるとすぐに拝観受付があり、拝観料600円を(圓徳院との共通割引拝観券900円もあり)支払って先に進みます。

本堂の脇を通って一旦境内の端にまわってから庭に出ます。この庭は高台寺庭園と言い、江戸時代初期の大名でもあり茶人、作庭家でもある小堀遠州の手による史跡・名勝の庭です。

観月台

最初に現れるのが観月台です。伏見城から移築された桃山時代建立の高台寺創建当初からの貴重な建物で重要文化財です。写真ではわかりづらいですが、偃月池(えんげつち)と呼ばれる池にかかるのが楼船廊(ろうせんろう)と言う渡り廊下で、この渡り廊下中間に一段屋根が高くなっている部分が観月台です。これが伏見城にあった頃には秀吉とねねがここから一緒に月を見たと言うことです。

方丈と庫裡

高台寺創建当初は方丈と庫裡はともに伏見城の建物を移築してきたものでしたが火災により失われ、1912年に再建されたものが現在の方丈と庫裡です。方丈は僧侶が普段の生活をする場所です。庫裡はお寺の台所、食堂の機能を持つ建物です。

方丈の御本尊は釈迦如来です。こちら宝冠釈迦如来坐像は禅宗の本尊に多いですが、こちらの像は高台寺創建よりも古い時代の尊像で16世紀後半あたりの作とされています。方丈の前庭は波心庭と言う枯山水庭園で、見事な枝垂れ桜で有名です。

開山堂

開山堂は高台寺創建当初の建物として江戸時代建立の重要文化財です。当初はねねの養父母である浅野長勝、七曲夫妻の持仏堂であったのですが、開山の三江紹益(さんこうしょうえき)禅師が亡くなると開山堂に改められました。内陣の天井には、伏見城から移された狩野山楽筆の龍の天井画が、また外陣の天井はねねが愛用していた御所車の天井がそのまま移されている部分(御所車天井、絵柄は四季草花図)と、秀吉の御座船の天井が移されている部分(御座船天井)とで構築されています。そして須弥壇中央に祀られているのがねねの強い要望によって招かれた、開山の三江紹益禅師像です。

臥龍廊

開山堂から続く、臥龍廊という文字のごとく龍が臥せている姿に見える廊下があります。これは開山堂から秀吉のお参りのために御霊屋にねねが行く際に、雨に濡れないように設けられた屋根付き廊下です。ねねの歩幅に合わせて、階段部分の蹴上げは小さく作られているようです。

御霊屋

秀吉とねねを祀ったお堂で、秀吉の豊国廟を模して作られています。須弥壇中央の厨子にはねねの念持仏であった、像高5cmほどの大随求菩薩像が安置されており秘仏となっています。秀吉の墓は近所の阿弥陀ヶ峰の頂上にありますが、ねねはこちら御霊屋に眠っています。須弥壇は高台寺蒔絵と呼ばれる優雅で雅な蒔絵で飾られています。蒔絵は漆塗りの上に金粉で絵を描く手法で、繊細で非常に手間のかかる工芸品です。

傘亭と時雨亭

傘亭と時雨亭とは渡り廊下でつながる二棟の茶室で、ともに伏見城から移築された桃山建築で重要文化財です。

傘亭はその室内天井の竹の垂木が傘を広げたように見えるところから付いた通称で、本来は安閑窟(あんかんくつ)と言います。時雨亭は珍しい二階建ての茶室となっており、大坂の陣(夏の陣)で豊臣が滅び大阪城が燃え上がった光景を、ねねはここから見て涙していたという話は有名です。

傘亭
時雨亭
傘亭と時雨亭を繋ぐ渡り廊下

竹林

高台寺の庭園は回遊式となっていて、時雨亭のある場所をおおよそ頂上として斜面状になっており、ここから下がってお堂のある平らな境内に行く途中に竹林があります。

台所坂を上がってすぐ右手にある鐘楼

高台寺は紅葉の夜間ライトアップを初めて実施したお寺であり、アンドロイド観音なるロボット風の仏像を安置するなどいろいろな事を先駆けて実施するお寺です。お寺としての歴史は他の京都のお寺に比べると比較的浅いですが、見どころの多いお寺であると行くたびに感じます。