
西国三十三所観世音菩薩巡礼 第三十二番札所は繖山 観音正寺(きぬがさざん かんのんしょうじ)です。アクセス難易度は★★★★★です。午前中に参拝した竹生島宝厳寺からの続きで、彦根駅から4駅戻って能登川駅で下車、近江鉄道バスの八日市駅行きに乗車し15分ほどの「観音口バス停」で下車します。観音口バス停といっても観音寺はこの近くではなく、ここから山道を1時間弱かけて登る必要があります。とりあえずバス停から南西方向に住宅地を200mほど歩くと結神社(むすびじんじゃ)があり、この境内の左手に登山道入り口があります。ここから登山道に分け入って行きますが、ほどなくして金網の柵があり扉が閉まっていますが鍵はかかっていないので開けて進みます。動物よけの柵なのでしょうか。開けたあとはきちんと閉めて行きたいと思います。

歩く登山道は当然ですが未舗装で、草をかき分けつつ進むような感じです。さすがに他に歩いて来ている人はおらず、淋しげで心もとない山道をひたすら行くのでスニーカー以上のしっかりした靴を用いて数人の集団で行くようお勧め致します。

登山道は途中特に分岐道なども無く迷わずにお寺に着くことが出来ました。最初に見えてくるのは鐘楼ですが、その奥に門の無い露出の仁王像が寺の入口を守っています。

屋根や壁が無く直接対面しているため、門の中に収まった状態の仁王像よりも迫力を感じる気がします。

こちら観音正寺は聖徳太子の創建と言われ、なんと人魚伝説があるという一風変わった御由緒をお持ちです。現代では人魚というと上半身は人間で下半身が魚である女性がイメージされますが、観音正寺ホームページの絵を見ると何やら頭に魚の胴体がくっ付いたような男性の姿が描かれています。この男、生前は漁師であり魚を殺生していたため成仏できずこの姿になってしまい、聖徳太子に懇願しているという場面です。

観音正寺は、かつてこの場所に城が築かれた事により繁栄と荒廃を繰り返してきました。現存する本堂も平成時代に火災にあった後の再建です。御本尊もそのときに新たに彫刻された総白檀(びゃくだん)造りの千手観世音菩薩です。こちら、本来は輸出禁止のところをインド政府の特別の許可を得て輸入した白檀を使用しています。想像していたより大きな像であり、お堂の中が白檀のあの独特なワックスのような匂いで満ちています。ほんのり笑みを浮かべて、慈悲深い印象の観世音菩薩です。








帰り際には是非とも琵琶湖側の絶景をご覧になって頂きたいです。天気が良ければよりきれいだったろうとも思いますが、またあの登山道を行く事を少し忘れるためにもここでちょっとゆっくりしていこうと思います。