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西国三十三所 第二十七番 圓教寺

西国三十三所観世音菩薩巡礼 第二十七番札所は書寫山圓教寺(しょしゃざん えんぎょうじ)です。アクセス難易度は★★★★(星四つ)です。姫路駅北口バスロータリーの10番乗り場から8系統の「書写山ロープウェイ」行きバスに乗車し約30分ほどの終点「書写山ロープウェイ」バス停で下車します。ここからはバス停の名前でもお分かりの通りロープウェイに乗ります。4〜5分で山上駅に着きますが、降りてすぐにお寺の三門があるわけではありません。ここからは山道を約1キロメートル、20〜30分ほど登っていきます。途中、西国三十三所の札所本尊の観世音菩薩像の写しが参道沿いに安置されているので飽きずに登ることができます。

参道途中では西国三十三所の札所本尊が見守ってくれている。こちらは西国三十三所の御本尊で一番の謎を秘めた三室戸寺の千手観世音菩薩立像ですね。まるでマリア像のような洋装の観世音菩薩像です。
途中、丁石を目安に頑張って登りましょう。

第二十六番札所の一乗寺と組み合わせて一日でお参りすることができますのでバス路線図時刻表をお調べの上効率的なご参拝計画立案をお勧め致します。ちょっと急ぎ足にはなってしまいますが、例えばある土曜日に圓教寺と一乗寺をお参りするプランですと、7時位に大阪駅を出発し新幹線は使わずに山陽本線快速を使用すると8時45分姫路駅到着。8時55分の書写山ロープウェイ行きバスに乗車、9時30分頃にロープウェイ乗り場に着き、ぎりぎり9時30分発のロープウェイに乗り参道を歩いて10時に圓教寺到着。圓教寺は見所が多くて境内も広いので参拝にはそれなりの時間が必要かと思います。しかしながらここまでのスケジュールで来た場合の所要時間の最大許容時間は2時間15分です。12時15分ころ参拝終わり、山道を下って12時45分のロープウェイ、12時49分のバスで姫路駅に戻ります。姫路駅に13時20分着、姫路駅から社行きのバス13時30分に乗車。この13時30分を逃すと次は16時30分なのでアウトです。なお平日はこの便が13時00分ですのでご注意ください。新幹線や新快速を使うなどして朝の姫路駅着をもっと早めれば圓教寺の時間をもっと取ることが可能ではあります。(余談ですが昼食の時間も場所も無いため、朝の姫路駅でお弁当などを購入し圓教寺で食べるなどの対応となります。)

参道途中にある三門(仁王門)
圓教寺拝観案内裏面の境内図。

圓教寺は西国三十三所で最も西に位置する観世音霊場で、11万坪もの広大な寺域を持つ天台宗の大寺院で西の比叡山とも呼ばれています。開山は性空上人で、寺域内の崖に生えた桜の木に観世音菩薩像を彫刻し生木のまま本尊としたのが、札所本尊の六臂如意輪観世音菩薩であり、安置するお堂が摩尼殿です。

売店のある広場から摩尼殿を見上げる
崖に建つ懸け造りの摩尼殿(まにでん)。

現在の摩尼殿は昭和初期の再建ですので重要文化財の指定にはなっていませんが、崖の中腹に懸け造り(かけづくり・京都東山の清水寺本堂などと同様に崖にせり出して柱を組んで建つ構造)で建つ重厚で荘厳な雰囲気を持つ堂です。懸け造りなので下から見上げた時の木組みの迫力がよく見て取れます。

摩尼殿入り口部分。軒や庇が大きく張り出しているのがわかります。
摩尼殿舞台部分は回廊のようになっている。

広い境内は三つのエリアから成っており、仁王門のある東谷エリア、摩尼殿のある中谷エリア、そしてここから更に山道を奥へ進んだところにある西谷エリアの三エリアです。西谷エリアに着くとコの字型に配置された三つのお堂が広い空間と共に突如現れます。摩尼殿からここまでの道のりが山道なので、ここまで大きいお堂が3棟もあるとは想像もしていなかったので驚かされます。

摩尼殿から更に境内奥に進むとコの字配置のお堂3棟が現れる。

3棟とも重要文化財に指定されています。中央の食堂(じきどう)は総2階建てで建物横幅(長さ)が40メートル有るというお堂としては珍しい構造です。そして食堂には上がることができます。内部階段を登ると2階は宝物館のようになっており寺宝などが展示されています。質素で質実剛健な雰囲気があるためでしょうか、映画「ラストサムライ」のロケ地としてこの三つの堂は武士の世の映像作品に登場しています。

食堂(じきどう)。しとみ戸を開放した内部より中庭を臨む。1階は外部廊下が無いのでしとみ戸が内側に開くんですね。
食堂の2階から中庭を臨む。しとみ戸は外側に開く。

常行堂(じょうぎょうどう)は読んで字の如しで常に修行を行うというお堂であり、3ヶ月間お堂に籠もってトイレ以外は堂を離れずに南無阿弥陀仏を唱えながらずっと阿弥陀仏の周りをまわり続ける常行三昧(じょうぎょうざんまい)という修行を行うためのお堂です。これはテレビで比叡山での修行を説明していたときの内容ではありますが、この修行中の3ヶ月間はお堂の中を24時間歩き続けて、寝ることはもちろん座ることも許されないという厳しい修行で、天井から伸びたひもにぶら下がって休む事ができたり、食事が差し入れられたりはするそうです。修行を終えた時、頭髪や髭は伸び切っている状態でお堂から出て来られます。(入浴についての説明は無かったので不明です。)

中庭側から見た常行堂。
常行堂正面。格子の向こうに阿弥陀如来像が居られます。
大講堂。

大講堂はこちら圓教寺の本堂となります。重要文化財の建物であり、御本尊は釈迦如来です。建物内に入場する事はできませんが、食堂2階からは大講堂の複雑な木組みがよく見られます。

食堂2階の外廊下から大講堂の複雑な木組みが良く見られます。
重要文化財の鐘楼。
開山堂。重要文化財。

一番奥のエリアまで来ると開山堂を中心としたお堂群が現れます。こちらも先程同様にコの字型に三つのお堂が配されていますが、規模的には小規模なお堂となっています。この開山堂では珍しいチベット語の御朱印を頂く事ができます。(常時頂けるかという事は不明です。)

開山堂に向かって左手の建物は重要文化財の護法堂拝殿です。
開山堂に向かって右手は書寫山の鎮守、護法堂(神社)で、重要文化財。
黄色く色付いたモミジがきれいな開山堂周辺。
西谷エリアの奥の院。全て重要文化財指定の建物です。

一乗寺と同日での参拝が可能と書きましたが、上記の通り、見どころの多い大寺院ですので、やはり一日かけてゆっくり参拝したいところです。実際、急ぎ足で巡ったので開山堂の左甚五郎作の彫刻を見逃してきてしまいました。