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西国三十三所(第十四番) 三井寺

西国三十三所観世音菩薩巡礼、第十四番札所は長等山園城寺です(ながらさん おんじょうじ)。こちら三井寺(みいでら)と呼ぶ方が馴染み深いでしょうか。かつて天皇との関係が深い時代に御井(みい)寺と呼ばれたところから三井寺に転じたようです。とにかく見どころの多いお寺さんでありゆっくり時間が取れる時に参拝することをお勧めします。

アクセス難易度は★★(星2つ)です。京阪石山坂本線(いしやま・さかもと・せん)の三井寺駅から琵琶湖疎水の取水口に沿ってゆるい坂道を登って行くと案内看板が出てくるので迷わず行けます。程なく行くと長い石段が見えてきて、そこはもう三井寺です。拝観受付を済まして石段を登ると広がる空間は西国札所である観音堂です。

ここで、え?と思われた方は三井寺境内に詳しい方かと思います。たしかに、お参りに行った当日はよく調べずに行ってしまい、お参りの作法としては正しくない場所から入ってしまいました。本来なら更に北方の大津市役所寄りの仁王門から入るべきでしたが、三井寺だから三井寺駅から行けば良いとの思いで、脇の門から入ってしまいました。ただこちらのコースの方がすぐに観音堂に着くことはできますが。(西国のお参りのみの方) 三井寺ホームページにも境内案内がありますが、頂いた案内図を参考用に掲載いたします。

三井寺境内案内図。広さや伽藍規模で見ても大寺院です。

琵琶湖を眺望できる見晴らしの良い高台に建つ観音堂ですが、創建当初は長等山の山頂近くに建っていたようです。時代が下がるにつれ衆生救済のために、より身近な存在となるべく現在の地に移されたとのことです。江戸時代中期に再建された建物であり、県の文化財に指定されています。この観音堂の周りには見どころの多い建物がいくつもあります。観月舞台は嘉永二年建立の懸け造りの建物であり、清水の舞台同様に崖下に迫り出して建っています。屋根がしっかりあるのでここで月を観ると言うより、宴席を設ける場所だったのでしょうか。建築構造的にとても面白い建物であるのでぜひご覧になっていただきたいです。

嘉永二年建立の観月舞台

ご本尊は平安時代作の如意輪観世音菩薩座像で、重要文化財に指定されています。座像ですが、右膝を立てた座り方で、右手の指を頬に当てた思惟像のような雰囲気です。秘仏となっており、三十三年に一度だけご開帳されます。

日本三名鐘の一つである三井の晩鐘ですが、音が素晴らしいと言う事であり「日本の残したい音風景百選」にも選定されています。ちなみに三名鐘は他に宇治平等院と高雄神護寺です。更にこちら三井寺にはあと一つ有名な鐘があります。それは「弁慶の引き摺り鐘」です。奈良時代に作られた鐘ですが弁慶が三井寺から奪って比叡山まで引き摺って持ち去ったと言う事で、本体が傷だらけです。

一切経蔵は室町時代初期の建築で、山口県の国清寺から移築されたものであり、内部には輪蔵(写真参照。これを手で引いて回転させると全てのお経を読んだことと同じ功徳を頂ける事となる。)があり一切経が納められています。仏教の全ての経典を収蔵しているから一切経蔵と言うようです。国指定の重要文化財です。

一切経蔵。
一切経蔵に収まる輪蔵。

最後に本堂ですが、秀吉の正室 北政所(きたのまんどころ)ねねの寄進により1,599年に再建された国宝建築です。ご本尊は弥勒菩薩像で、天智天皇の念持仏であった仏をお祀りしています。このお寺も長い歴史の中で幾度かの火災で伽藍が焼けてしまいましたが、豊臣や徳川の帰依を受けて再建を果たしてきた経緯があります。本来ならここをくぐって入山したかった仁王門を最後にくぐり、一礼して三井寺を後にしました。