西国三十三所 第五番 葛井寺

西国三十三所観世音菩薩巡礼、第五番札所は葛井寺(ふじいでら)です。アクセス難易度は★です。大阪阿部野橋駅(天王寺)から近鉄南大阪線、準急で13分ほど、藤井寺駅で下車し徒歩5〜6分で到着です。西国三十三所の中でもかなり好アクセスです。

葛井寺の三門

お寺の漢字は「葛井寺」ですが、駅名や市名は藤井寺です。このパターンは全国で割とあります。鎌倉の浄妙寺も地名は浄明寺です。あとあまり関係ないのですが、乗車駅の大阪阿部野橋ですが、近鉄以外は阿倍野です。(同じ「あべの」ですが「部と倍」、字が異なります。)

境内全景。ホッとする懐かしさがある景色。

藤井寺駅から南に歩いていきますが、最初に現れるのは境内横の門ですので、ぐるっと南側まで回って三門から入りたいと思います。(この横の門は、豊臣秀頼寄進の門で重要文化財です。) 街中のお寺ではありますが、ここ葛井寺はビルのようなお寺ではなく、江戸中期建立の本堂をはじめ、どことなく懐かしさを感じさせてくれる風情ある景色が心をホッとさせてくれます。

江戸時代中期建立の本堂

葛井寺の御本尊は非常に印象的かつ希少な十一面千手千眼観世音菩薩坐像です。秘仏ですが毎月18日の観世音様の縁日の日には御開帳となりますので、比較的お目にかかりやすい秘仏と言えます。こちらの御本尊はどう希少かというと、多くの千手観世音は千手と言っても実際に手が千本あるのではなく、たいていは48本の手を持ち、千という数字は数え切れないという意味を込めているものです。しかしこちら葛井寺の千手観世音菩薩坐像は実際に千本の手を持つ千手観世音菩薩なのです。正確には1043本の手を持ち我々を救ってくださるのです。十一面というのは像の頭上に表情の異なる十一の面をつけているためこのように呼ばれています。千眼(せんげん)というのは、千本の手のひらに全て目がありそのために千眼となります。写真撮影はできませんので、以前入手した展示会のパンフレットを載せます。

下側の観世音像が葛井寺の御本尊です。国宝。

こちらのほかに実際に千手を持つ千手観世音菩薩像があるのは奈良の唐招提寺です。唐招提寺の観世音菩薩像は秘仏ではなく、いつでもお参りできますので是非お参りする事をお勧めします。盧遮那仏(るしゃなぶつ)の御本尊と脇侍としての千手観世音と薬師如来の3体がいずれも大きな像で、奈良時代当初の建立の金堂(こんどう)に安置されている様は圧巻としか言いようがありません。

唐招提寺、金堂。

葛井寺の千手観世音菩薩坐像は脱活乾漆(だっかつかんしつ)という技法で作られています。わかりやすくて詳しい説明が、奈良大学博物館のホームページにありますので、ご参照いただければと思います。像の形を粘土などで作り、麻布を漆で幾重にも貼り付けて漆と木片で成形し、最後に内部の粘土を取り除き、完成とする技法です。この技法の特徴は出来上がった像が軽いということです。いにしえの仏像が今に残っているのも、火災などの際に運び出しが容易だったために難を逃れた像が多いと言います。

写真撮りながら歩きで京都を周る。